ここのところ診療をしていると、マスクによる原因と思われる『口呼吸』の方が増えています。
今の状況では仕方のないことですが、口呼吸には様々な弊害がありますので、予備知識にしていただけたらと思います。
1、虫歯や歯周病の悪化、口臭の増大
口呼吸になると、口の乾燥症状がおきます。唾液による作用が働かないと虫歯、歯周病は悪化し、口臭も強くなります。
2、感染しやすくなる(細菌やウィルス)
『鼻呼吸』でないと、鼻を空気が通る事による加湿、防塵等の空気清浄機のような効果が得られないため、ダイレクトに外気が吸われのどに当たるため感染をしやすくなります。
3、ほうれい線やあご下のたるみ
口呼吸では口を常に開けているため、お口の周りの筋肉(口輪筋)が衰えてしまいこのような現象が起こります。
4、睡眠時無呼吸症候群
口を開けて寝ていると、舌がのどの奥に落ちこんでしまうため、睡眠時無呼吸症候群に繋がることがあります。
5、歯並びが悪くなる
特にお子さんの場合は口呼吸をし続けていると、出っ歯になったり歯並びにも影響がでます。
6、学習能力、仕事効率の低下
比較的新しい2013年に判明したことですが、「口呼吸は鼻呼吸よりも前頭葉により酸素消費を生じる」そうです、前頭葉は集中力を司る器官ですが、そこに満足に酸素がいかないと前頭葉の活動が休まらず、学習能力の低下、仕事効率の低下につながるとのことです。
7、認知症の可能性が高まる
6で書きましたが、前頭葉の機能低下により認知症が起きることが判明しています。
このような悪影響があり、口呼吸は百害あって一利無しといった形です。
人と密にならないところではできるだけマスクを外し、鼻呼吸を意識するように心がけましょう♪
※口呼吸には、鼻炎などの鼻症状により致し方ない場合もあります。口呼吸を改善するには耳鼻科との協力が必要です。先ずはご相談ください。
※画像は佐賀県歯科医師会さんのポスターです。良いポスターなので使用させて頂きました。