★は自由診療の項目となります。
当院での虫歯治療への考え方
歯を残すための削る量を最小限に抑えた治療を
「歯科の治療は痛い」「歯を削る感覚が苦手」「キーンという機械音が怖い」
歯医者に対してこのようなイメージが強いため歯科医院での治療が苦手という人も少なくないようです。
しかし、だからと言って風邪と同じように放置して虫歯が治るはずもなく、むしろ治療を行わないことで悪化し、大きく歯を削らなければいけなくなったり、抜歯をしなくてはいけなくなったりしてしまう場合があります!
そうなってしまわないためにも虫歯は『早期発見・早期治療』が大切です。
当院ではミニマムインターベンションに基づいた『なるべく削らない・抜かない・痛みの少ない治療』を心がけ、患者様が感じる痛みを和らげる麻酔注射、初期虫歯は削らず経過観察を行い、治療の時も可能な限り削る量や詰め物の量を抑えるなど、色々な取り組みを行っています。
可能な限り歯を残すという努力を惜しまず、更になるべく患者様にかかる負担を少なく出来るような治療を目指しています。歯科医院が苦手、怖いという方もぜひ一度当院までご相談ください。
ミニマルインターベンション(MI)って?
ミニマルインターベンションとは、歯へのダメージを最小限に抑えるため、本当に悪い部分だけを削り取って修復するという歯科治療の考え方です。
国際歯科連盟(FDI)が2000年に提唱したミニマルインターベンションを取り入れ、可能な限り歯を削らずに残すための治療に取り組んでいます。
歯を機能的に長持ちさせる
虫歯になって治療…と繰り返していくと、だんだんと削る量は増えてしまい、その結果、歯はどんどん脆くなっていきます。自分の歯をできるだけ長持ちさせるためには、健康な歯を残すための治療をしなくてはなりません。
当院では歯を残すために、二つの大事なことに力をいれています。
それは、
①可能な限り歯を削らない
②できる限り神経を残す
ということです。
その方法の1つが、歯を削った後で修復に使う白い詰め物であるコンポジットレジンを使った治療です。
コンポジットレジンを使った治療では歯を削る量を最小限にすることができます。
当たり前の話にはなりますが、虫歯は早期に治療を行えばそれだけ削る量は少なく済みます。虫歯が悪化し大きくなればその分取らなくてはいけない虫歯の量が増えてしまうため、長く健康な歯でいるためにも小さな異変を見逃さず、気づいたらすぐに歯科医院を受診されることが大切です。
痛みのない麻酔で痛くない治療
ストレスを軽減する痛みの無い麻酔
痛みを緩和するための麻酔注射ですが、患者様の多くがこの麻酔注射を刺す時の痛みが怖い・苦手だと感じていらっしゃるようです。
そのため当院では、このような麻酔を行う際のストレスをも軽減するために色々な工夫を行っています。
その1つとして表面麻酔があります。まず最初に直接患部に表面麻酔を塗ってから麻酔注射をすることで針を刺す時のチクッとした痛みを軽減することが可能です。
更に、針を刺す時にも工夫をしています。少し皮膚を引っ張りながら麻酔液を少しずつ数回に分けて注入。これによって感じる痛みは少なくなるため、「麻酔されたことに気が付かなかった」と多くの患者様がびっくりされています。
精度の高い治療を実現する設備
どのような治療を行っていくかは、虫歯の大きさ・深さ、症状など患者様一人ひとり異なっており、適切な治療を行うためにもより詳しい検査・診断が必要不可欠です。
当院ではこのように正確な診断を行うため、被曝量の少ないCTおよびデジタルパノラマレントゲンや口腔内カメラを使っております。
撮影した画像を使い、患者様にお口の中の状態や虫歯の大きさや深さについてもしっかりご説明いたします。
画像だけでなく痛みや染みるなどの実際のお口の中の症状も確認し、どのような治療を行う必要があるのか、そのほかに必要なことについてもお伝えし、その上で患者様ご自身にどのような治療を希望されるかを判断していただきます。
虫歯の進行状態と治療法
虫歯は「CO」から「C4」の5段階で進行していきます。最近では初期虫歯であるC0ならば歯を削らずに経過観察や再石灰化を促す治療が行われるようになっています。
CO(初期虫歯)
初期の虫歯で、まだ歯が溶け始めたばかりの状態です。COではまだ黒くなったり穴は空いておらず、この段階の虫歯であれば日々のフッ素入り歯磨き粉を使った歯磨きや、フッ素洗口(ミラノール)や、クリニックでの定期的なフッ素塗布を続けることでエナメル質を再石灰化させることが出来ます。
C1(エナメル質虫歯)
歯の表面のエナメル質が虫歯によって溶かされてしまった状態です。小さな穴が出来ていますが、象牙質までは達していないため痛みを感じることは少ないです。一般的にはC1の虫歯からは治療の必要があり、虫歯部分を最小量除去して詰め物を入れます。
C2(象牙質虫歯)
虫歯がエナメル質を突き抜けて象牙質まで達してしまった状態です。冷たいものや甘いものがしみる、触れると痛むなどの症状があります。小さい場合は虫歯を取って詰め物で治療しますが、奥まで虫歯が広がってしまっている場合は麻酔をしてから虫歯部分を取り、薬を入れて神経を保護する処置をします、約2週ほど症状がでないことを確認した後に詰め物を入れていきます。
C3(神経まで達した虫歯)
虫歯が象牙質も突き抜け歯の神経にまで達してしまった状態です。強い痛みが出たり、神経が死んでしまうと根の外で炎症を起こすため膿が出たり歯茎が大きく腫れることもあります。C3の段階では根管治療と呼ばれる歯の根の治療が必要です。歯の根の中の汚れを綺麗にして、土台を入れた後にかぶせて治療します。
C4(残根状態)
歯の根だけが残っている状態で、ほとんどの歯が溶かされてしまっているため治療は難しいです。多くのケースで抜歯となりますが、歯質が残っている場合は根管治療の後に被せ物をする治療が可能です。
たとえ、根っこだけの状態だとしても、歯周組織の処置(クラウンレングスニング)や、部分的な小矯正(MTMのエクストリュージョン)をすることによって歯を残せる場合がありますので、他院で抜歯と言われ悩まれている場合は是非一度ご相談ください。
MTAセメントによる歯髄保護と根管治療
★処置費用1部位 5,000(税別)
MTAセメントとは、Mineral Trioxide Aggregateの略称です。
MTAセメントの最大の特徴は、骨および歯や血管の再生を促すことができるので、歯の寿命を延ばす役割をします。そのため現在では世界中で使用されており、非常に優れた再生療法の材料となっています。
使用用途は大きく分けて2種類あります。
1つ目は『 神経の保存 』に用います。
神経に及ぶほど深い虫歯があって、神経の生活反応がある(生きている)場合に使用します。
その場合、神経を残せる可能性が飛躍的に上がります。神経を残すことは歯が長持ちするうえで非常に重要な要件となります。
2つ目は『 根の治療の最終的な充填材 』としての用途です。
むし歯が原因で、歯の底に穴が空いてしまったり、ひびが入ってしまったり、治りの悪い根尖病変に使用します。
骨や歯の再生を期待できるので、結果的に歯を長持ちさせることにつながります。
MTAセメントの特徴
- 骨および歯や血管の再生を期待できる
- 大きな虫歯を取り除いている際に、歯の神経が見えてしまった場合でも神経を残せる可能性がある
- 人体に害のない生体親和性がある
- 持続的な抗菌性があるため、治りの悪い根尖病変に適応
というように、MTAセメントには根管治療に最適な材料であるだけでなく、むし歯が進行していても神経を残せる可能性があるすばらしい材料となっています。
根管治療について
根管とは、歯の根の内部にある「神経」や「血管」が通っている細い管のことを指します。
虫歯が進行し、「C3」と呼ばれる状態になると、細菌が歯の神経にまで感染してしまいます。
この状態を放置すると、歯を抜かざるを得ない場合があります。また、歯の内部(つまり体内)と、外部がつながることを指すので、細菌が血液に乗って全身に巡り、各所で影響を及ぼす恐れもあります。
そのため、感染した神経や組織を取り除き、根管内をきれいに清掃・消毒する必要があります。また、「根尖病変」と呼ばれる歯の根の先に膿が溜まる症状が発生した場合にも、同様の治療が必要です。
このように、歯の根の内部を治療することを「根管治療(歯内療法)」といいます。この治療は、家に例えるならば基礎工事にあたる重要な工程です。この基礎がしっかりしていないと、再発や炎症の原因となってしまう可能性があります。
根管治療は歯を残すための最後の砦とも言えます。当院では、Ni-Tiファイルをはじめとした先端技術を積極的に導入し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供し歯を長持ちさせ、健康を守ることにつなげたいと思っております。
「できるだけ歯を残したい」「痛みや不安を減らしたい」とお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。
当院の根管治療の特徴
高画質・高倍率で精密な治療を可能にする次世代マイクロスコープ
従来のマイクロスコープのようなのぞき込むタイプではなく、画面を見ながら治療ができます
当院では、次世代マイクロスコープ「ネクストビジョン」を導入し、4K画質で最大80倍の高解像度映像を駆使した精密治療を行っています。高い精度と安全性を実現し、患者様に安心して治療を受けていただける環境を整えています。
このマイクロスコープは、歯並びや歯石の確認から、細やかな根管治療や歯周組織再生療法に至るまで幅広く対応可能です。従来の感覚だけに頼る治療とは異なり、鮮明な映像を活用することで、より正確で質の高い治療を提供します。
また、3軸アームの自在な動きと素早いオートフォーカスにより、操作性も非常に優れており、効率的かつスムーズな治療をサポートします。リアルタイムでモニターに映し出される高解像度映像により、従来の顕微鏡のように覗き込む必要がなく、自然な姿勢で治療を進めることが可能です。
特に、根管治療においては、マイクロスコープを使用することで患部を鮮明に確認しながら治療を行います。これにより、再発のリスクを低減し、より確実な治療を実現しています。
CT撮影を行い確実性を判断
病巣の広がりや、歯根破折の有無、根管や骨の状態を三次元的に精密な把握をすることができるのが、CTです。
通常の2次元レントゲンでは確認できなかった部分や、詳細な情報がCTにより明確に把握できるようになり、その結果、より正確な検査・診断が可能となります。
医療において「見える」「見えない」は治療の質に大きな影響を与えます。
Ni-Tiファイルを用いた根管治療
超弾性・形状記憶を有し、歯に優しく効率も良い根管治療器具
根管治療では、細くて複雑な形をした歯の根の中をきれいにする必要があります。
そのため、使用する器具も治療の成功に大きな影響を与えます。
当院では、最新の器具である Ni-Ti(ニッケルチタン)ファイル を使用し、従来の器具に比べてより安全で精密な治療を行っています。
Ni-Tiファイルの特長とそのメリット
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1しなやかさで歯を守る
- Ni-Tiファイルは非常に柔軟性が高く、歯の根の複雑なカーブにも対応できます。これにより、根の壁を傷つけるリスクを抑え、歯をできるだけ残す治療が可能になります。
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2短時間で効率的
従来のステンレス製の器具に比べ、Ni-Tiファイルは効率よく歯の根を清掃できます。その結果、治療時間を短縮できるため、患者様の負担が軽減されます。
3治療の精度向上
Ni-Tiファイルは、手では到達しにくい狭い根管の隅々まで清掃できます。そのため、再発リスクを低下させ、治療後の歯をより長く健康に保つことができます。
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最後に
当院は、自由診療での根管治療は行っておりません。
根管治療は、高度な技術を必要とする治療ですし、根管内は複雑で不確定要素も多い治療となります。以下の点をご理解いただければ幸いです。
- マイクロスコープを活用することで視認性は向上しますが、根管内すべてを把握することは不可能です。
- 根管内の構造は非常に複雑であり、歯科医師が主に清掃する部分は「主根管」と呼ばれる部分です。「側枝」と呼ばれる細い枝分かれした部分については、マイクロスコープを使用しても視認が難しい場合が多いのが現状です。
- ラバーダムを使用することで一定の感染予防は可能ですが、根管内を完全に消毒することは難しい場合があります。
当院では、自由診療で用いる器具や道具を選択使用しながら、保険診療の範囲内で最大限できる根管治療を行っています。
ただし、難治性のケースや彎曲根管や石灰化しており根尖の穿通ができないような場合、ご説明後希望される患者様には、根管治療を専門に行っている歯科医院や大学病院と連携しておりますので、ご紹介することも可能です。
患者様のご希望やお口の状態に応じて最適な対応をさせていただきますので、何でもお気軽にご相談ください。
エンドサージェリー
★歯根端切除術 費用 50,000~(税別)
エンドサージェリーとは根管治療で症状が改善しない、いい結果が出ない場合や、かぶせ物を外さないで根尖病変に対応する場合におこなう治療法です。
顕微鏡を使って根っこの先端部を小さく切開して、病巣を取り除く『歯根端切除術』をおもに行っております。
当院では根管治療がうまくいかなかった患者様の治療も行っていますので気になることがありましたらご相談ください。